最近、1法人で複数の保育園を運営するケースが増えています。
それに伴ってよく聞くのが、「〇〇園から△△園への異動を命じたところ、思いのほか強く反発されてしまい、困っている」というご相談をよくいただきます
園側としては「うちの職員は異動可能」と思っていても、実はそこに見落としや誤解があることも少なくありません。
📌 異動命令は、いつでもできるわけではない
職員に対して異動や転勤を命じるには、以下の3つの条件が基本になります。
就業規則や雇用契約に「異動あり」の明記があること
業務上の必要性があること
職員の生活事情に過度な負担をかけていないこと(社会通念に照らして相当であること)
いくら就業規則に「異動あり」と書いていても、それだけで無条件に命令できるわけではありません。
実際の運用実態や、個別の事情が考慮されるのが法律の考え方です。
👀 拒否される可能性もあるって本当?
以下のような事情がある場合、異動命令が無効と判断されることもあります。
要介護の家族がいて遠方への異動が難しい
配偶者の転勤により引っ越しができない
子育てや通院などで現在の場所を離れられない
異動の理由が嫌がらせと受け取られてしまうようなケース
また、職員に事前説明がなかったり、相談の余地がなかったりすると、「配慮義務違反」とされてしまう可能性もあります。
💡大切なのは「根拠の明確化」と「一人ひとりへの配慮」
異動命令をスムーズに進めるためには、異動命令をスムーズに進めるためには、「就業規則に書いてあること」も重要ですが、それだけで十分とは限りません。
「なぜこの異動が必要なのか」「その人にどんな影響があるのか」を対話を通じて整理することが何より大切です。
特に保育の現場では、職員同士の関係性や保護者との信頼関係も大きく影響します。
一人の異動が全体に与える影響も含めて、丁寧に進めていきたいですね。
🌱 さいごに
複数園を運営する法人が増えてきた今こそ、異動に関するルールや考え方を見直してみる良いタイミングかもしれません。
「園のために必要」と感じた異動でも、本人にとっては大きな変化になることも。
お互いが納得できる形で進めるために、就業規則の見直しや説明の工夫が、これからの保育現場には求められているのだと思います。


