今回は、保育園や幼稚園の職員に「退職」を伝えるときの注意点についてお話します。
「このまま働き続けてもらうのは正直むずかしい…」
「でも、“辞めてほしい”なんて言ってはいけないし…」
そんな葛藤を感じた経験、園長先生なら一度はあるかもしれません。
退職の話し合いはとても繊細な時間です。だからこそ、事前の備えが大切になります。
📘 そもそも「退職勧奨」とは?
退職勧奨とは、園から職員に「退職を検討してもらえないか」とお願いすることです。
これは解雇とは違い、あくまで合意のうえで進める対話が前提になります。
ただし――
保育園は人間関係が密な職場です。伝え方や対応が不適切だと、信頼関係に傷がつき、トラブルになるリスクもあるのです。
⚠️ 保育園でよくあるトラブル例
「辞めてほしい」と圧力をかけられたと受け取られてしまった
他の職員に話が漏れ、ハラスメントだと感じられた
面談記録がなく、後から「無理やり辞めさせられた」と主張された
たった一言の伝え方が、労働トラブルや職場不安に発展することもあります。
🔍 園が抱える主なリスクとは?
■ 「実質的な強制退職」とみなされる
形式的には合意でも、実際には園主導で話が進んだ場合、不当な退職とされることも。
■ パワハラと受け取られる可能性
退職面談の内容や態度によっては、「精神的な圧力をかけられた」と訴えられるケースも。
■ 職員の信頼が揺らぐ
退職面談の印象が悪いと、他の職員に「次は自分かも」と不安が広がり、離職やモチベーション低下を招く可能性があります。
✅ トラブルを防ぐためにできること
退職勧奨は慎重な対応が必要です。
特に次のような姿勢を持つことで、職員と前向きな話し合いがしやすくなります。
🧭 園としての考えをまず整理する
本当に退職という選択しかないのか?
他の選択肢(配置転換・支援)はないか?
園として、どうしたいのか?
園の方針や目的を明確にしたうえで、面談に臨むことが大切です。
💬 伝え方への準備をしておく
話の切り出し方、使う言葉
どう受け止め、どう応答するか
感情的にならず、冷静に進めるための心構え
「何を話すか」だけでなく、「どう伝えるか」も丁寧に整理しておきましょう。
👥 一人で抱え込まず、記録と同席者を
面談は可能であれば、主任や副園長にも同席してもらう
会話の記録は簡易的でもよいので残しておく
これは園を守るためだけでなく、職員に安心して話してもらうためにも有効です。
🌿「退職をどう伝えるか」に悩んだら
「このままではお互いにしんどいけど、本当に辞めてもらうべきかどうかも悩んでいて…」
そんな迷いを感じたときは、“本当に退職が最善なのか?”“他にできることはないのか?”を含めて、一緒に整理してみませんか。園としても、職員との関係を丁寧に見直す機会になるかもしれません。
青木労務管理事務所では、園長先生と一緒に以下のようなご支援を行っています:
園としてのスタンスや方向性の明確化
話し合いに入る前の心構えの整理
面談準備のアドバイス(※個別対応)
「退職させる方法」ではなく、お互いが納得して次に進めるかどうかを見直す時間として、丁寧な対話をサポートしています。
🎈 まとめ:退職面談は「信頼を守る対話の場」
退職に関する話し合いは、決して「白黒をつける場」ではありません。
むしろ、
🟢 お互いの想いを丁寧に伝え合い
🟢 納得感を大切にしながら前を向く
そんな「信頼を育む時間」にしていけたら理想的です。
園としての判断に迷いがある
誰にどう相談してよいか分からない
――そんな時は、どうぞお気軽にご相談ください。


