園を運営する理事長の方から、こんなお声をいただくことがあります。
「施設長に方針を伝えたのに、動きが鈍い…」
「私が話した内容が、現場ではまったく違う温度で伝わっていた…」
「ある職員が私に直接意見を言いに来た。内容は本来、施設長に伝えるべき話だったのに…」
その背景には、「情報は届いているのに、温度が伝わっていない」という見えにくいすれ違いがあるのかもしれません。
🎯 本質は、「伝えたつもり」と「期待のすれ違い」
施設長との認識にズレが生じる背景には、こんな構図がよく見られます:
理事長は、きちんと伝えたつもりだった
施設長は、なぜその方針になったか、納得しきれていなかった
そのまま「自分の言葉」に置き換えられず、現場で動きが止まっていた
つまり、法人の方針という「設計図」が、施設長の中でイメージに変わらず、
現場へ届ける力を持たないまま、止まってしまっていたのです。
そしてもう一つの落とし穴が、「期待の高さ」と「承認の少なさ」のギャップ。
理事長が強く期待しているからこそ、「できて当たり前」と無意識に感じてしまい、
うまくいっていても「ほめる・認める」という言葉が抜け落ちてしまうことがあります。
💡 ちょっとした「承認の言葉」が背中を押す
施設長は、理事長のひとことに敏感です。
たとえば、
「朝のミーティング、職員への声かけがとても良かった」
「○○さんへの対応、ちゃんとフォローしてくれて助かったよ」
――こんな具体的なフィードバックがあると、
「見てもらえている」「信頼されている」という実感が生まれ、
自然と行動にも前向きな力が加わっていきます。
🧩 解決に向けたアプローチ
1|「 すり合わせの時間 」をあらためてつくる
法人の方針やその背景を、「一緒に言語化していく時間」を持つだけで、
施設長の中にあるモヤモヤが晴れ、現場でも伝わる言葉に変わっていきます。
→ たとえば、「月に1回10分のすり合わせミーティング」を定例化している園もあります。
2|「 翻訳者 」としての視点を育てる
施設長が、自分の言葉で職員に語れるようになるには、
「この考え方、現場にはどう伝えるのがいいだろう?」という問いを、
理事長と一緒に考える時間がとても有効です。
→ 方針を落とし込むときは、そのまま伝えるではなく「翻訳」だという意識が大切です。
3|「 直談判 」を防ぐ距離感の工夫
職員が理事長に直接意見を伝えに来るケースもあります。
本来は施設長に伝えるべき内容であっても、「理事長の方が話しやすい」と思われてしまうと、
施設長の立場が弱くなり、職員間にも軋轢が生まれがちです。
→ 日常的に理事長と施設長の連携が見えるようにしておくことで、「まずは施設長へ」という流れが自然になります。
📝 まとめ|「 信頼の連鎖 」は、理事長と施設長の相互理解から
伝えるだけではなく、「共有し、理解し合う」。
それが、施設長との信頼関係を育てる第一歩です。
そして、高い期待には、それに見合った承認や対話が欠かせません。
「なぜ伝わらないのか…?」と感じたときは、
「伝えたつもり」や「任せきり」になっていなかったか?を振り返ってみてください。
小さな認識のズレが、
組織全体の「温度差」として現場に伝播してしまう前に――。
☕ ご希望があれば…
青木労務管理事務所では、
理事長と施設長の相互理解や、職員に伝わる言葉の整理など、園の内側から温度を整えるサポートを行っています。
「施設長に任せているけど、うまくいかない」
「信頼してるけど、歯がゆい」
そんな想いがあるときは、一度一緒に振り返ってみませんか?


