職員がメンタルヘルス不調になったら

もし、職員からいきなり診断書が提出され、そこには「うつ病」と記載されていたら、貴園ではどのように対応されていますか。

近年、職員のメンタルヘルス不調対応のご相談をよくいただきます。

そして、春は季節の変わり目であることや異動による環境の変化などで、メンタルが乱れやすくなる時期でもあります。

周りでよくそんな話を聞くけど、実際に自園となると対応に悩むケースが多いのが実情ではないでしょうか。もちろん個々の事案に合わせて対応することになりますが、今回は基本的なスタンスをお話ししたいと思います。

大きなポイントは2つです。

①診断書が出されたら即休職させる

②復職時の対応が大事

それでは3つのステップに分けて解説していきます。

<ステップ1:初動対応>

診断書が提出されたら、本当に病気がどうか疑わしいときでも、まずは休ませる方向で検討。

疑わしい場合やどのような状況なのか確認したい場合は、本人の同意を得たうえで主治医と面談し、そこで治癒の見通しや何が原因なのかを確認することは可能です。

やっていけないこととしては、本人を責めるような言動やそのまま働かせるのは、リスクが高いです。

一方で、その言動からメンタルヘルス不調が疑われる場合は、心療内科への受診を促すことが大事です。

受診に応じてくれない場合は、受診命令を出すことも視野にいれましょう。

<ステップ2:休職中/療養中>

休職が長期に渡る場合は、定期的な状況報告をしてもらいましょう。

賃金については、原則として無給となります。(ノーワーク・ノーペイ)

その間については、傷病手当金の申請が可能です。(健康保険加入者のみ)

<ステップ3:復職時>

復職の申出があった場合は、まずは「就労可能」かどうかの確認のため、診断書を提出してもらいます。

そこに疑義がある場合は、主治医面談や園の指定する病院での診断も必要かもしれません。このあたりは事前に説明しておくことや就業規則への記載もあった方が良いです。

最終的な復職の判断をするのは園となります。

ですが、医師ではない私たちにその判断は難しいです。そのため、主治医などの診断書などは非常に大事になってきます。

その他、労働時間、業務内容、残業の可否など配慮事項も、医師の意見を参考にして決定します。

お試し出勤をさせるケースもあるかもしれませんが、その実施については、本人の意向だけではなく、医師の意見も確認するようにしてください。

休職期間満了日までに復職ができないときは、まずは本人に就労の意思を確認し、次に主治医の復帰の見通しも確認したうえで、休職期間の延長が可否や従前の業務以外にも可能な業務があるかどうかも検討しましょう。できる限り措置を行った結果、復帰が見込めない場合には、そこで合意退職または自然退職となります。

以上です。

メンタルヘルス不調は決して珍しいものではありません。そのときになって焦らなくていいように、事前に手順などを決め、職員が安心して休職できるような環境を整えてはいかがでしょうか。