2.退職理由はどのようなものが多いのか
効果的なオンボーディングの施策を考える前に、早期離職理由を確認したいと思います。
(1)新卒者の離職理由
新卒者の離職理由については、東京都福祉保健局が発行している「東京都保育士実態調査報告書(令和元年5月)」が非常に参考になりますので、見ていきましょう。
離職理由のトップ3
①「職場の人間関係」 :33.5%
②「給料が安い」 :29.2%
③「仕事量が多い」 :27.7%
(2)中途採用者の離職理由
また、中途採用者が前職を辞めた理由は、厚生労働省が発表している「令和2年度雇用動向調査」に記載されていますので、ご紹介します。
離職理由(男性)のトップ3
①「給料等収入が少なかった」 :9.4%
②「職場の人間関係が好ましくなかった」 :8.8%
③「労働時間、休日などの労働条件が悪かった」 :8.3%
離職理由(女性)のトップ3
①「職場の人間関係が好ましくなかった」 :13.3%
②「労働時間、休日などの労働条件が悪かった」 :11.6%
③「給料等収入が少なかった」 :8.8%
以上の結果から、新卒者・中途採用者を問わず、人間関係と労働条件は、離職理由として多いといえます。
(3)リアリティー・ショック
効果的なオンボーディング施策を考えるにあたって、「リアリティー・ショック」というものを理解しておく必要があります。
リアリティー・ショックとは、新たに就職した人材が、事前に思い描いていた仕事や職場環境のイメージと、実際に現場で経験したこととの違いを消化しきれず、現実と理想のギャップに衝撃を受けることです。その過程で程度の差はあれ、リアリティー・ショックを感じる人は少なくありません。
先ほど見た離職理由にもある「保育方針が自分に合わなかったため」「職場の人間関係が悪かった」「仕事量が多すぎた」「給料が少なかった」などは、リアリティー・ショックを消化しきれず、不安や幻滅、喪失感などを強め、離職に至ったと考えられます。
次回へ続く・・・