4月が近づくこの時期、園長先生からこんな声を聞くことがあります。
「新卒の先生がうまく馴染めるか心配です」
「早期離職にならないようにしたいのですが…」
私は毎年この時期になると、新卒職員の早期退職に関する相談を受けるたびに、同じことを感じています。
4月になってからでは遅い。
春の定着は、事前準備で決まると言っても過言ではありません。
ぜんほきょう1月号でもお伝えしましたが、早期離職ゼロを実現している園では、秋頃から準備を始めています。
正直に言えば、1月の時点で「ギリギリ」というのが現場感覚です。
とはいえ、3月は「最後の仕上げができる大切な時期」 でもあります。
■ 3月は新人が「園の空気」を感じ取る時期
実習や見学、事前研修などを通じて、内定者や学生は次のようなことを感じ取っています。
職員同士の雰囲気
忙しい中での声のかけ方
質問しやすさ
自分がここで働く姿を想像できるか
つまり、この時期に見ているのは説明や制度ではなく、
園の「空気」そのもの です。
■ 小さな違和感が不安につながることも
例えば…
❌ 挨拶をしても反応が少ない
❌ 誰に質問していいか分からない
❌ 忙しそうで声をかけづらい
❌ 職員同士の会話が少ない
こうした小さな体験が、
「ここでやっていけるかな…」
という不安につながることがあります。
■ 1月号でお伝えした「準備」を活かす最後の仕上げ
1月号では、
✔ オリエンテーション設計
✔ 段階的な育成計画
✔ 面談の仕組み化
といった事前準備の重要性をお伝えしました。
3月は、それらを「安心感として伝える時期」と言えます。
■ 今からできる「安心感づくり」の関わり方
① 名前を覚えて声をかける
「〇〇さん、ありがとう」
その一言で、歓迎されている安心感が生まれます。
② 質問しやすい雰囲気をつくる
「分からないことは遠慮なく聞いてね」
この一言だけでも心理的ハードルは下がります。
③ 園の想いや大切にしていることを伝える
マニュアルではなく、
・子どもとの関わりで大切にしていること
・職員同士で大事にしている姿勢
を伝えることで、園の価値観が伝わります。
④ 「一人にしない」安心感をつくる
「困ったら〇〇先生に聞いてね」
と橋渡しをしておくことも大切です。
■ 定着は「技術」より「安心感」で決まる
新人が辞める理由は、
仕事ができないからではなく、
不安が続いたから
というケースが少なくありません。
安心して質問できる
失敗しても大丈夫と思える
受け入れられていると感じる
こうした安心感が、定着の土台になります。
■ 秋からの準備 × 3月の関わり方で定着は変わる
早期離職ゼロの園では、
✔ 秋からの育成準備
✔ 面談の仕組み化
✔ 園全体の受け入れ体制
に加え、
✔ 3月の丁寧な関わり
が、新人の安心感につながっていました。
■ まとめ|定着支援の“最後の仕上げ”は3月にある
新年度のスタートは4月ですが、
新人の安心感づくりはすでに始まっています。
特別な準備が必要なわけではありません。
✔ 声をかける
✔ 雰囲気を伝える
✔ 一人にしない
そんな関わりの積み重ねが、
「ここで働きたい」
という気持ちにつながっていきます。
もし、新人の受け入れに不安を感じている場合は、
園の迎え方や関わり方を一度見直してみませんか。
安心して働き始められる環境づくりは、
職員の定着だけでなく、園全体の働きやすさにもつながっていくはずです。
園内のことで「少し気になるな」と感じることがあれば、
どうぞそのままにせず、お気軽にご相談ください。
状況を整理しながら、最適な一歩を一緒に考えていきます。



