雇い入れ時の健康確認について

まず労働安全衛生規則43条により、「事業者は、常時使用する労働者を雇い入れるときは、当該労働者に対し、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。」とされています。
しかし、この健康診断では近年問題となっているメンタルヘルス不調かどうかまでは分かりません。
よって、採用前の面接時に本人に確認するしかありません。
そこで問題になるのは、「過去の病歴」を聞くことはプライバシーの侵害になるのかどうかです。面接で病歴を聞くことは正職員の採用においては、長期に継続的に労務提供できることが採用条件であり、また子どもの安全確保の面から、過去に再発率の高い疾患に罹患したことがあるか否かは必要な情報だと思います。(調査の自由)
しかし、雇い入れ時の健康チェックも無制限にできるものはなく、例えば、B型肝炎、HIVについては、労務提供への影響は小さいので調査はできません。
一方、精神障害歴は労務提供と関連するため、調査(質問したり、自己申告させること)は可能です。
ただ、回答はあくまで任意ですので、本人に説明したうえで、「健康状態チェックシート」といったもので回答してもらう形はどうでしょうか。

参考となる判例:B金融公庫事件東京地裁 平成15年6月20日
企業が採用に当たり、労務提供を行ないうる一定の身体的条件、能力を有するかを確認する目的で応募者に対する健康診断を行うことは、予定される労務提供の内容に応じて、その必要性を肯定できるというべきである。

保育園労務サポート福岡
代表 社会保険労務士
青木 亮太

保育園・幼稚園・認定こども園を中心に、労務相談、就業規則の整備、行政監査対応、採用・定着支援に携わる。
大分県・長崎県などの公的機関をはじめ、精華女子短期大学、福岡地方保育協会、福岡市保育協会などで、保育現場の労務管理やハラスメントに関するセミナーに登壇。
全国保育協議会の会報誌(ぜんほきょう)で2026年から連載を受け持つ。

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