応募者を惹きつける面接のしかた

中小企業は、見抜く面接の前にやるべきことがあります。

有効求人倍率が高止まり、労働人口不足が叫ばれるようなタイミングにおいては、求職者側が会社を選別できます。

この場合、会社側はいくら「見抜いた」ところで、求職者に入社したいと思ってもらわなければ、なんの意味もありません。

上記のことは、保育士不足で悩んでいる保育園で同じです。

採用活動において「欲しいと思った人材」は、他園でも欲しいと思われています。

つまり、面接に来ている目の前の「欲しい人材」は、他園からも内定をもらっていると考えてください。

そのような人材に来てもらうには、見抜く面接ではなく、求職者の夢・ビジョン・キャリアにフォーカスし、そこにスポットライトを当てていく面接の方が重要です。

このような面接のしかたを「ファン化面接」と言います。

勝負は「面接官の魅力」!

まずは、面接官自身が魅力的でなければ、良い人材は採用できないと考えてください。

具体的には、自園のプレゼンテーションを通じて、

この面接官のような人と仕事をしたい

この面接官が説明してくれた園に、魅力を感じた

と求職者に思わせる「成果を出す」のが、面接官の仕事です。

<職員が面接官になる場合>

「私もこの園のこういうところが好きで~」という言葉を、至るところでちりばめます。

「この人、この保育園のことが好きなんだな・・」という思いが伝わるだけで、          「良い保育園」というイメージを与えることができます。

逆に言うと、「自園のことが好きでない」人を面接官にしてはいけません。

「園長はこういうところが魅力です」、「職員はこういう人が多いです」など
といった、「面接官は、この保育園や職員のことが好きなんだな」と、思わせることが大切です。

<園長(経営者)が面接官になる場合>

こちらのケースの方が多いかもしれませんが、基本的な考え方は同じです。

□ 園の案内の傍ら「職員のことが好きだ。」というメッセージを出す。(職員を褒めるなど。)

□ 応募者への質問を通じ、「あなたに興味がある」を伝える。(しゃべり過ぎないように注意。)

ファン化面接の手順

1)まずは面接官の自己紹介から入る

ついついしてしまいがちですが、いきない応募者に質問から入るのはNG。              まずは、人間関係を作りましょう。

人間関係ができていないのに、本音を話すことは難しいことです。

そのためには、まずは保育園の顔である面接官の自己開示をすることからスタートします。

面接官が自己開示することで、求職者も「ここまで話してもいいんだ」というボーダーラインができます。

できるだけエネルギッシュに自己開示をしてください!自己紹介ではなく、自己開示です!

つまり、ビジネスライクに淡々と話をする感じではなく、感情的に人間くささをさらけ出した感じで自分をプレゼンテーションをすることが大切です。自分の良いところも悪いところも全力で話す。自分の夢やビジョン、キャリアデザインなども話をする。

2)保育園のプレゼンテーション

次に、「採用案内パンフレット」などを活用し、「この保育園が好きだ」という気持ちを持ちながら、 以下の①~③の順序でプレゼンテーションをしていきます。

①園の魅力を一言で伝える

応募者に対する「胸に刺さる一言」を、伝えましょう。

【「一言」の例】

□ 定着率(○年目での離職者は0人)が、とても良いです。

□ 残業はほとんどなく、持ち帰りはありません。

□ 職員同士の仲が良く、懇親会なども積極的にしています。

□ メンター制度があり、当園に早く馴染むことができます。

□ 有給休暇が取りやすく、消化率は○○%です。

□ 子育てしやすい勤務形態や制度があります。

②経営理念・ビジョンを伝える

「どこに向かっているのか(何を目指しているのか)?」「どんな仲間と働きたいのか?」なども、入れておくとよいでしょう。

③他園との差別化や特徴など、自園の魅力を伝える

他園との差別化や、3~5年後の円の姿、働く人にとっての自園なりの良いところなどを伝えます。

④面接官から、自園への共感や感想を伝える。

面接官自身が、自園のことをどんな風に捉えているか、「共感していること」や「働きがい」、「この園の好きなところ」を、話します。

3)募集職種の説明

① 配属部署(クラスなど)の説明

  •  どんな役割を果たすのか
  •  大切にしていることは何か

② 部署構成の説明

  •  人数や性別、どんな人かなど
  •  働いているメンバーの特徴

③ 採用背景

  •  増員なのか、欠員なのか等、背景を説明

④ 求める経験・人物タイプ

  •  採用後のミスマッチとならないよう、求める人材像、能力・スキル等

4)応募者への質問

自園の自己紹介とPRが終わったら、質問を通して「人物の見極め」を行います。

ここでは、質問のしかたが重要です。こちらの詳細は、また別の機会に紹介します。

5)夢・ビジョン・キャリアの確認

具体的には「〇〇さんは3年〜5年後の目標はありますか?」

「どんな保育士になりたいですか」

「どんなキャリアを描きたいですか」のような説明になります。

多くの保育園では志望動機を確認することが多いですが、逆に求職者の夢やビジョンにスポットを当てる点で通常の面接と異なります。

6)承認/傾聴

夢やビジョンをしっかりと承認・傾聴をすることが大切です。

求職者が夢やビジョンを語った後にいう言葉は、「とてもいい目標ですね」という承認の言葉になります。この言葉を入れるかどうかでその後のコミュニケーションが変わります。

きちんと承認したは、なぜその夢や目標設定なのかという背景や、現状はどのくらいできているのかの確認、どのような方法で達成していくのか、丁寧にヒアリングを行いましょう。

そして、よいと思った求職者の場合は、自園でその夢やビジョン等を実現するための環境が整っているかを考えながら聞くことが大切です。

7)フィードバック

「いい目標を聞かせて頂き、本当にありがとうございました。以上で面接は終了します」
と伝えましょう。

続いて、「面接は終わりましたが、今日の面接のフィードバックを少しさせて頂いてもいいですか」と 許可を取って、フィードバックを伝えましょう。

なぜなら、面接試験は見送りになったときに、落ちた理由がわからず不満を覚える求職者が少なくありません。フィードバックの中で、身振り手振りなども含め、評価できた点や改善した方がよい点をアドバイスします。

最後に、今後のスケジュールを伝えて終了です。

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このような見極めだけではない、求職者をファン化させる面接が必要ではないでしょうか。

詳しく聞きたいという方は「無料相談」を行っておりますので、お気軽にご相談ください。

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