2026年10月のカスタマーハラスメント防止措置の義務化を前に、各地でハラスメント研修のご依頼をいただいています。
この6月は、秋田県と長崎県でそれぞれ研修を担当させていただきました。少し時間が空いてしまいましたが、活動報告としてご紹介します。
秋田県|令和8年度 教頭・主任等研修会ⅠB(6月3日)
秋田県の教頭・主任クラスの先生方を対象とした研修会で、ハラスメントをテーマにお話ししました。オンライン開催のため、参加者の皆さまにはチャットでご回答いただきながら進行しました。
画面越しでも、チャットには率直な声がたくさん寄せられました。「実際にあったが、園としてどう扱うか決めていない」という趣旨のご反応が印象的でした。
長崎県|令和8年度 長崎市保育会 園長研修会(6月23日)
長崎市保育会の園長先生方を対象とした研修会です。こちらは対面での開催だったため、グループでの意見交換の時間を多めに取りました。
同じ事例でも「これはカスハラだと思う」「いや、これは受け止めるべき要望では」と園によって判断が分かれる場面があり、基準を言葉にしておくことの必要性を、参加者の皆さま自身が実感される時間になったように思います。
研修でお伝えしたこと
両会場とも、同じ骨子でお話ししました。
> 意識と行動を変える! 保育施設のハラスメント研修
> 〜「ウチの園は大丈夫」から「ウチの園だからこそ立ち止まる」へ〜
構成は3つのセッションです。
セッション1:カスハラとは?
2025年6月に成立した法改正の内容と、カスハラの定義を確認します。「職場において行われる、顧客等による社会通念上相当な範囲を超えた言動により、労働者の就業環境が害されること」という定義を、保育現場の言葉に置き換えて整理しました。
セッション2:なぜ現場は疲弊してしまうのか?
園への影響(業務の停滞、採用・ブランドへの影響)、職員への影響(パフォーマンス低下から休職・退職へ)、そして他の保護者への影響という3つの角度から見ていきます。安全配慮義務違反が認められた裁判例も取り上げました。
セッション3:保育施設として、どう対応していく?
予防・発生時・発生後の組織対応を、園として何を決めておくかという視点で扱いました。
「これはカスハラ?」というワークで起きること
研修では、いくつかの事例を提示して「これはカスハラだと思いますか?」と考えていただくワークを行っています。
たとえば、連絡帳に丁寧な言葉で改善要望が書かれているケース。担任に対して大声で人格を否定する言葉を繰り返すケース。並べてみると、明らかに違うものが「クレーム」という同じ言葉でひとくくりにされていることが見えてきます。
このワークをすると、多くの園で意見が割れます。そしてそれこそが、現場で対応がバラバラになる理由そのものです。園長先生と職員の頭の中の基準が違えば、対応が揃うはずがありません。
だからこそ、研修を受けて終わりではなく、園に持ち帰って共有していただくことをゴールにしています。理事長・園長・職員が同じ方向性と同じ基準を持てて初めて、職員は安心して保護者対応に臨めるようになります。
2026年10月の義務化に向けて
カスハラ防止措置の義務化は、2026年10月1日からです。「カスハラには反対します」という方針の明確化と周知、対応マニュアル・対応フロー図の整備、相談窓口の設置など、園として整えるべきことがいくつかあります。
「何から手をつければいいか分からない」という段階でも大丈夫です。研修のご依頼はもちろん、就業規則の見直しや対応マニュアルの整備など、園の状況に合わせてご支援しています。お気軽にご相談ください。
秋田県・長崎県の関係者の皆さま、貴重な機会をいただきありがとうございました。

