保育園の園長先生や主任の先生から、
「最近の新人は受け身で…」
「何度教えてもなかなか覚えてくれない」
「自分から質問してくれない」
といったご相談をいただくことがあります。
もちろん個人差はありますが、私は必ずこうお伝えしています。
「新人が育たない原因は、本人だけにあるとは限りません」
実は、これまで当たり前だった教え方が、今の若手職員には合わなくなってきているケースも少なくないのです。
「見て覚えて」が通じなくなっている
以前は、
「先輩の動きを見て、盗んで覚える」
という育成方法が一般的でした。
しかし、今の新人保育士には、それが通じないケースが増えています。
理由はとてもシンプルです。
見ているだけでは、
- 何をしているのか
- なぜそうしているのか
- どんな意図があるのか
が分からないからです。
育った環境も違えば、学校での学び方も違います。
「まずやってみよう」よりも、
「理由を理解してから行動したい」
という方が増えているように感じます。
そのため、教える側が昔と同じやり方を続けていると、
「やる気がない」
「飲み込みが悪い」
という評価になってしまうことがあります。
でも実際は、
本人の問題ではなく、教え方とのミスマッチ
が起きているだけかもしれません。
OJTでよくある3つの失敗
① 「やり方」だけ教えて「理由」を伝えない
例えば、
「着替えはこの順番でやってね」
と手順だけを教えたとします。
もちろん手順は大切です。
しかし、それだけでは応用が利きません。
なぜその順番なのか。
子どもの安全面でどんな意味があるのか。
状況によって変わることはあるのか。
そこまで伝えて初めて、新人は自分で考えて動けるようになります。
理由が分かると記憶にも残りやすくなります。
② フィードバックが「できていないこと」だけ
新人職員は毎日必死です。
新しい環境、人間関係、保護者対応、記録業務…。
頭の中は常にフル回転しています。
そんな中で、
「ここができていない」
「ここが違う」
と指摘ばかり受けると、次第に萎縮してしまいます。
すると、
「また注意されるかもしれない」
という不安から行動量が減り、結果として成長も遅くなってしまいます。
だからこそ、
まずは
「今日の声かけ良かったよ」
「子どもへの関わり方が丁寧だったね」
など、できていることを伝える。
その上で改善点を伝える。
この順番がとても大切です。
③ 「困ったら聞いてね」で終わっている
実はこれが一番多いかもしれません。
先輩としては親切心から言っています。
しかし新人側は、
「何が分からないかが分からない」
状態であることが少なくありません。
すると、
「質問していいのかな」
「忙しそうだから聞きにくいな」
と思いながら抱え込みます。
そしてある日突然、
「もう無理です…」
となってしまうケースもあります。
だからこそ、
新人から来るのを待つのではなく、
こちらから定期的に声をかけることが大切です。
明日からできること
OJTの仕組みを整えるには時間がかかります。
しかし、今日からできることもあります。
例えば、
「なんで分かった?」と聞いてみる
仕事を教えた後、
「なんでそうするか分かった?」
と確認するだけでも理解度は大きく変わります。
週に5分だけ1on1の時間をつくる
長時間である必要はありません。
5分でも構いません。
定期的に話す時間があるだけで、新人の安心感は大きく変わります。
指摘より先に承認を伝える
「今日ここ良かったよ」
を一つ伝えてからアドバイスをする。
それだけで受け取り方は大きく変わります。
おわりに
新人が育つかどうかは、本人の資質だけで決まるものではありません。
受け入れる側の
- 教え方
- 関わり方
- 声のかけ方
が大きく影響します。
「見て覚えて」から「伝えて育てる」へ。
その小さな変化が、新人職員の成長や定着につながっていきます。
最近は、新人育成やOJTの進め方、初任者研修に関するご相談も増えています。
「どんな研修をすれば良いか分からない」
「OJTを体系化したい」
「若手職員の定着率を上げたい」
そんなお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
園の状況に合わせながら、一緒に考えていければと思います。

